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ジョージ・オーウェル『一九八四年 新訳版』 訳:高橋和久

もう二度と読みたくない本かな。
つまらんとかそういうことではなく。

人間はここまで愚かになれるのだろうか。
本当に平等な世界などやってこようはずがないことを予感させる
そんな本だった。

社会主義や共産主義はソ連が崩壊したことで、
それ自体が間違っていたものとして考えられがちだが、
私の知る限り、思想家たちが夢想していた
本当の社会主義などというものは
一度たりとも存在したことはなかった。

あったとすれば、それはこの本の中に出てくる
イングソック(Ingsoc)、イギリス社会主義(English Socialism)の
パチモンに変わりなかったろう。

本当の社会主義、共産主義というものは、
人間には恐らく実現不可能だと思う。
いくらみんなが平等にと言ったって、
そこでは全ての人にとって裏切りのインセンティブが存在している。

戦争がなくならないのと一緒だ。
全ての国がいっせいに武器を捨てたとして、
どこか一国でも武器を隠し持っていれば、
そこで世界はその一国に支配されてしまいかねない。

もし本当に社会主義を実現させたいなら、
全てを機械にでも管理させないといけないだろう。
ただ、それを試すだけの度胸が我々にあればの話だが。


感想はこれぐらいにして、と。

訳者あとがきによると、
この本が、イギリスで「読んだふり本」第1位なのだそうな。
確かに読むの時間かかるしね。
私も大変だったよ。

そんなわけで、大事そうなところをピックアップしてみましょう。
ちなみに私が読んだのは、
ハヤカワepi文庫から2009年に出版されたものです。

それを踏まえて、
まずはビッグ・ブラザーに対立する立場にある、
ゴールドスタインなる人が書いたという設定の
『寡頭制集産主義の理論と実践』です。
ページ数で、p.285-p.332ですね。
何気にここだけでかなりの部分が理解できるような気がしなくもありません。

それからオブライエンとウィンストンの議論も見ておくといいでしょう。
第3部の2節と3節にあたります。50ページぐらいかな。

まだ余裕のある人は、付録の「ニュースピークの諸原理」を。
18ページあります。

小説には興味ないという人は、ここにあげた部分を読んでおけば、
だいぶ知ったかぶりが出来るでしょう(笑)

それにしても初版のせいか、やたら誤植が多い。
特にp.504にある解説の「真理省」は「愛情省」の間違いだと思うんだけど。


最後に、党のスローガンについての覚書

戦争は平和なり
自由は隷従なり
無知は力なり

これがなかなか理解できなかった。


・戦争は平和なり(『寡頭制集産主義の理論と実践』参考)
これには二つの意味がある。
一つは、一般の党員の理解。
もう一つは、本当の、党中枢の理解。

この世界はオセアニア、ユーラシア、イースタシアという
3つの勢力に分かれており、
常にこの3勢力間で、「戦争」が行われている。

一般党員の理解は(多分)簡単。
やらなきゃやられるってことだろう。
戦うことで自分たちの国を守り、安全を守るということだと思う。
それで、戦争は平和だということなんだろう。

そして本来的な意味だが、これが厄介だ。
戦争が平和であるというのは、(恐らく)権力者にとっての平和である。
この3勢力は、実際にはどこも同じような体制なのであり、
「戦争」の目的は、消費物資の余剰を破壊することにある。

技術革新によって、富の総量が増えてきたため、
その分だけ人々が教育を受ける余裕を得るようになる。
それは権力者にとって非常に厄介。
したがって、戦争を行うことで富を破壊し、
常に生活のレベルを困窮状態にとどめるのである。

例えば浮動要塞1隻作るのに、数百隻の貨物船が作れるという。
最終的にその要塞は破棄されるが、
それは人々になんらの物質的利益を与えない。
つまり本来得られたであろう数百隻の貨物船の持つ利益
完全に失ったことになる。

こうすれば、人々は常に働き続けざるを得ず、教育を受ける暇もなく、
ただ子供を産み、死ぬだけの装置となる。

そして全ての勢力がこのような思考の下で
「戦争」を行っているのであり、
勝敗については全く重視されていない。
勝ち負けのない戦争を延々と続けているわけだ。

党はこの欺瞞的な「戦争」を行うことによって、
自らの平和を享受しているということになる。


・自由は隷従なり(p.409参考)
オブライエンが言うように、
隷従は自由なりと言い換えても問題はない。
個人としての我々は、いつか必ず死ぬ。
それは必ずやって来る最大の敗北である。

しかしその敗北を免れる方法がある。
個人のアイデンティティを脱却し、党に自らをゆだねることである。
党は永遠であり、自分が党そのものになれば、自分も永遠だということ。

馬鹿馬鹿しい。


・無知は力なり
馬鹿でいる方が楽とかそんなん。

もう力尽きた。

ちょっとだけ二重思考(ダブルシンク)について。
ある写真について、それを忘れたとする。
さらにその忘れたことを忘れる。
しかし本当に必要になったときには、またその写真の情報を取り出す。
(p.382)

また、二重思考という言葉を使っているときも二重思考を使う。
その言葉を使うことが現実改変を認めることになるから。
二重思考に二重思考を重ねることで、全てを消す。
二重思考という言葉を、二重思考を用いて忘れる。
(p.329)


もうあんまり読みたくないから、
出来る限りまとめようかと思ったけど
無理だわ。
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