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『リリイ・シュシュのすべて』岩井俊二

いじめがどうとか、
食傷気味で面倒な議論を
する気にもなれないわけだけど、
悪意と不幸が連綿と繋がり、
ひとまず事件が起きたという感じ。
とりあえず、サティと星野はこれで退場。
マイナスの圧力は消え去るのか。

一度汚れたものは、
なかなかキレイにならないかも。

まあいいや。
リリイについて。
タイトルを見ると、
リリイの全てが明らかにされるかのようだが、
そんなことはなく、
それどころか、
リリイ自身は一度も登場してこない
というのが、実際のところ。

若者たちから絶大な支持を得る歌姫、
果たしてその正体やいかに。

思うに、何のことはない、
思春期の若者をまきこんだ、
ありがちな現象の一つ、
その結果に過ぎないのではないか、

すなわち、
みな若いときには、
自分の存在を問うてみたり、
ナーバスに悩みこんだりなんかして、
気持ちのコントロールが上手くつけられない、
整理のつかない時期というようなものがあるでしょう。

そんなときに、
この歌姫は不思議な世界観を提示し、
未熟な若者たちの興味を惹くのです。
そして彼らはそれぞれ、
与えられた世界観を自分なりにいいように解釈し、
勝手に自分のことを分かってくれてる、
自分のための歌姫なのだと思い込むのです。

私はリリイが何か特別すごい歌姫だったと
考えるわけではない。
いや、すごいにはすごいんだろうけど、
それが何かとてつもない力を持った、
普遍的、網羅的、神的なものであるというのではなく、
(つまり、小説だからこそ出来る、
この世を越えた存在を描いているわけじゃなくて)

ただ、「時代の歌姫」であったと、
そういう風に考えるわけなのです。

よくあるでしょう。
若い頃に、
一時期やたらと
あるアーティストにのめりこむんだけど、
いつの間にか聞かなくなって、
ふとしたときに、
どこかで耳にすると、
ひどく懐かしい思いにとらわれるような感覚。

リリイもそれと同じで、
いくら熱をあげてようと、
そのうち聞かなくなって、
「エーテル? ああ、そんなこと言ってたっけな、あはは・うふふ」
とか言って、
いつの間にか過去形で語られるような、
そんなものではないかと思うのです。
しかし何で私はこんなことを長々と説明しているのか、
何かバカらしく思えてきました。
もう終わりにしましょう。

本の内容は、解説者が上手く述べてくれてます。

不安。

まさにこれでしょう。
不安に駆られ、だるさに駆られ、
ページを次々繰っていこうとする、
そんな感じだったと思います。

正直、最初のネットの掲示板のやり取りで、
あまりに幼稚な発言が繰り返されるのを見たときは、
投げ出そうかとも思った。
(これは実際に、ネットで若者が集まってそうな掲示板でも覗いてみればいつでも見られる光景であろう)

見た目は分厚いけど、
読む部分が若干少ないので、
読むのに時間はそれほどかからない。
携帯小説に近い?
(読んだことないけど)

本編(?)は第7章スタートなんだけど、
一応第4章から読めば、
最後の展開まで全部分かるかな。
まあ第1章から読めばいいんだけどさ。
よほどめんどうなら。
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以前に鳥取で大きな地震がありましたため、日本一危険な国宝とされるあれ、投入堂はしばらく見ることができないかと危ぶまれてましたが、実は今年の4月に開山されてたんですよね。危険ではありますが上がっていくと見晴らしはすばらしく、一見の価値はあるんではないかと思われますよ。私もちゃんとのぼったよ。

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