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『小説 千利休』童門冬二(ドウモン フユジ)

千利休については、
「わび」、「さび」、お茶の人
ぐらいの、中学生レベルの知識しかないので、
この「小説」がどこまで正確なのか
わからないけれど、
ここに登場する利休は、
面白い考えを持った人物だと思った。

タイトルに「小説」とつけることで、
性格に幅をもたせることもできるし、
思う存分自分の考えをぶっていけようから、
そういうこと?
と思いつつも、楽しめた。

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

利休の茶室の特徴として
注目してみたいのは、2つ。
「市中の山居」「にじり口」

簡単に説明するならば、
「市中の山居」とは、
華やかな街の中にある寂れた山小屋のようなもので、

「にじり口」は、
お茶に招かれた人が、
茶室に入るときに、
「にじって」入る狭い入り口のこと。

問題はこれらが何を主張しているか
ということなのだけど、
まずは「にじり口」から。

この入り口は、
入るときに頭を下げて入らないと入れない。

招いた側は、
別の入り口から先に入ってて、
お茶の準備をしてる。
そこに招かれた人は、
自分がどんなに偉い立場であろうとなんだろうと、
入るためには
その人に対して
頭を下げるような格好で入るしかない。
何か屈辱的。

でも利休はそれで
優越感にひたりたかった
とかってわけでは、
もちろんない。

ここに西洋的な思想「まちびと」の思想がある。
向こうで言う「市民」。

利休は言う。
にじり口を通過した相手に対して、
「これであなたもただの人間です」
相手がいかなる肩書きを持ったものであろうと
そこをくぐれば「ただのまちびと」になる。

彼の住んでいた堺のまちには、
住む人間全て平等という考えがあった。
同じまちに住む人間として、
全ての人が等しく、
同じくまちの問題に取り組んでいく。
民主主義みたい。

今では当たり前のように
受け入れられる考えだけど、
当時、直接の堺のまちの
運営主体であった会合衆(間接民主制?)について、
信長の第一印象が
商人が、そこまで思い上がりのさばっているのか
であったように、
そのときの人たちにとっては、
新しいもの、聞きなれぬものであった。

じゃあ利休は、
結局のところ、
単に西洋かぶれしてただけかと言うと、
本人はそんなこと否定するに決まってる。

利休はその西洋からの思想を、
日本の伝統芸術である「お茶」で表現した。
そこが大事。
温故知新。

日本人の精神は守りたかった。
(「日本人の精神」って何だよ、というのは置いといて)

その意味で「市中の山居」というのが、
その日本人の精神を守るための
防衛ラインになっていたのだろう。
ここからは譲れないという彼の抵抗だと思う。

わざわざにぎやかなところに、
ボロっちい家を建てて、
通路の露地も細くして、
入っていく人間に
窮屈な思いをさせてやろう
というつくりなのだから、
そりゃ何か考えのひとつやふたつあるわけである。
いや、もうさっさと結論を言ってしまうならば、
これが彼の言う「侘び」。

「一期一会」というみんなが大好きな四字熟語がある。
その場で、「あなたの知ってる四字熟語は?」
ときいたときの回答を集計すれば、
きっとランキング上位に入るはず。
何も考えずに挙げてしまう人は、
ここらで改めて
その意味を深く考えてみてもいいかもしれない。

茶道でこの言葉が教えるのは、

毎日顔を合わせている馴染みの人間でも、その日はじめて会った時は、生まれてはじめてこの人に出会ったと思い、また用が済んで別れを告げる時は、もうこの人とは二度と会えない、と思う気持ちで出会いを大切にする」(p.58)

ということらしい。

このことに従って、
もてなす側は、
最大限の奉仕精神を尽くして、
もてなされた方は、
精一杯の感謝の気持ちを表す。
ここには凄まじい緊張感や真剣さがある。
こういう本気さ割と好き。

利休以前の茶は、
台子(だいす)式というので
大名や公家なんかが好むゆとりある
ちょっと派手なスタイルだったけど、
それを利休が「侘び茶」に変えたのだと。

「市中の山居」とかいうせまっくるしい別世界で、
こんな緊張したやり取りが行われるのが、
「侘び」なのだそうな。

しかしまあ、
そう言われれば、
このようなやり取りには、
「市中の山居」みたいなのが
都合いいのだろうなと納得できる。

こうして利休はみごと和魂洋才を実現した。
と、適当にまとめて終わってしまおう。

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

感想というより、
ただの要約みたいなものだけど、
今回はまとめたい気分だったから。
でもこういう
要約的なものの方が有益な気がする。
色々と。
もっと増やそうかしら。

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