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葉室麟『冬姫』ほか1本

葉室麟『冬姫』

見た目厚いから大変かと思ったけど、
中身は割と軽い。
章ごとに話の区切りがつくので、
細切れ時間でちょっと読む
というのもやりやすい。

司馬遼太郎はじめ
そういう歴史小説読む習慣は
ほとんどないんだけど読みやすかった。

逆に硬派なものが
読みたい人には物足りないのかも。
主人公とお供二人の
キャラが立ってるから、
ラノベ的な面白さがあるね。

読んでてなかなか
すっきりする話が多いけど、
いかんせん時代が時代だから、
最後はどうなっちゃうんだろうなあ、と
どこか心の隅にひっかかるものを
感じ続けながら読めた。
蒲生家とかそんなん
聞いたこともないし、
歴史的にどんな立場か
さっぱりわからんもんね。
歴史音痴だからね。
でもだからこそ
ドキドキしながら読める
っていうのはある。

                      


川村元気『世界から猫が消えたなら』

流行の小説を読んだのでついでに。
映画化するのかしたのか
なんかそんな本らしい。
たぶん人気の本だ。

タイトルは「猫」だけど、
まあ実際猫が消えることだけが
大事ではない。
何かしらのものが消えてしまう
ってのはどういうことか
ってことを考えたりするもの。

でもってほんとに消えちゃったら、
みんなの意識からも消えてるんだから
特に影響ないっていうか。

大事なことは
ものとかそういうことじゃなくて、
命は短いから
他人にやり残したことがあるなら
それをやっておこうってことが、
何かものが消えるより重要ってことだ。

要はあれなんだ。
この本送って君が消えたら悲しいよ
ってそんなメッセージを
特製のしおりに記入して
送りなさいってこった。

辰巳芳子『食といのち』

本書のエッセンス
・自分の体を作っているものへの気遣いをおろそかにしてはいけない。
・点滴や胃ろうなどでの摂取よりも、口から摂取
・料理はまとめて作って効率を上げる
・季節に合った食べ物、自分が欲するところの食べ物をとるべし


普段の食生活に
そこまで気を遣ってないことや
好き嫌いの多い偏食家でもあるので、
なかなか耳の痛い話であり、
なるほどと納得できるものであり。

分子生物学者の福岡伸一 氏とは、
「動的平衡」をもとに対談。
人の体の安定性は、
日々の細胞の生まれ変わりによって
めまぐるしい活動の結果として
保たれているのであり、
口にしたもの一つ一つが
自分の体そのものとなるのである。

総カロリー偏重主義はいけない。
車にガソリン入れるみたいに
ガス欠を避けて
エネルギーだけ取り込んでいれば
それでいいか、
いいはずない。

炭水化物、タンパク質、脂質など
バランスを取って、
1日に1食でOKではなく、
3食に分けるとかでやってかなきゃ。
そして人の味覚は
その人の食べてきたものの歴史。
これまで食べてきたものの
記憶や感じ方から
自分の味覚は日々形成されていく。
たぶん何でも食べたほうが
味覚のパラメータは広がるんだろう。

ファーストフードが
広がりを見せる今、
きちんとした食生活が
もっと意識されなければならない。
ファーストフードで育った人々は、
それ以外を知らないまま成長する。
そうして伝統のある食生活、
より効率的に人に力を与える
意味のある食の文化が
すたれていってしまうかもしれない。

本自体が200ページ。
そしてやたら空白の広いページがたくさん。
苦しい水増しが行われていないか、これ。
まあいいんだけど。

マイケル・サンデル『それをお金で買いますか 市場主義の限界』訳:鬼澤忍

『これからの「正義」の話をしよう』の人。
…読んでないけど。
NHKでハーバード白熱教室
やってたから見てた人も多いね。
新しい本が出てたので買ってみた。
思ったより面白かった。

行動経済学のことを知った時、
インセンティブの利用に
とても感心したのを思い出す。
市場ってのはすごい。
人の心をくみ取って、
より効率的に効用が生まれる。

でも実際に、
何でもかんでも
カネカネカネと
なってしまったときに、
それはそれでいくらか
問題があるらしかった。
それに対する問題提起。

従来市場が
介入しなかった場所なのに、
介入するようになってしまえば、
つまりより金で解決できる
場面が増えることは、
人々に今まで以上に
貧富の差を思い知らせることになる。
高いスポーツカーとか
でかい家とか
ゴージャスな服だけじゃない。
福祉、教育、医療、治安にかかわる。

また臓器売買、
人身売買が許されないのはなぜか。
倫理・道徳的な問題があるから。
金で売買できるべきでないものもある。
選挙の投票権などの権利、
裁判員としての出頭義務
(アメリカは陪審員制度やってたんだったね)。

私たちはどうやって
市場の介入を認めたり
認めなかったりしているのだろう。
また市場の介入を
許すべきでないのは
どういうときだろう。
そのような議論を
せずにおれば、
気づかぬうちに
あちこちに値札がつけられて、
何やら気分の悪い
世の中になるんじゃないか。

リーマンショックで散々、
自由主義が失敗しただの、
反省しますだの言ってたわりに、
いつの間にか、
前にもまして
市場主義って
私たちの生活に
増え続けていたんだ。

命名権とか、
そういえば周りにあるもの
やたら企業の名前の施設
増えたなと思ってた。
この本読んでて、
あ~そういえばー、
って思った。

とにかく何でも
値札ついちゃうと、
値札がつけられたものは
腐っちゃうんだ。

値札のないものに
私たちは潜在的に、
道徳的だったり、
義務的だったりするような
何か感情を持って接するのに、
値札がついたとたん
それに対する思いが吹っ飛んで、
かえって安っぽくなることがあるわけだ。

                
・金か時間か
並びたくないから
お金を払ってでもすぐに済ませたい。
横入りしたい。

ダフ屋はチケットに
より高い価値を見出す人に
売ることで、
実際のギャップを埋める。
無料のチケットが
1万円で販売されたら。
そのチケットは
並びさえすれば手に入るなら。

主催者は無料で
チケットを出すけど、
結局ダフ屋どもに取られて、
それが高額なチケットになってしまうなら。
最初から主催者が
その価格で売ればいいのか。
そういう意図じゃなかった。

金を多く出す人が
そのチケットに対する要求が
一番大きいと考えるのは
自明の間違い。
支払額の大きさではなく、
支払い能力の大きさに
由来するから。

時給10万円稼げる人が、
5分たりとも並びたくないからチケットを買う。
時給は1000円だけど、
5時間並んででもその席がほしい人。
こんな感じで単純化すると、
後者はチケットに5000円
出せるのがせいぜい。
でも気持ちの上では
明らかにこの人のほうが大きい。
たったこれだけのこと。

金ではかるべき価値と
時間ではかるべき価値。
こういう分かれる価値観もあるから、
議論というのが必要になる。


『ヤバい経済学』も
前に読んだけど、
向こうの人たちは、
具体例がいっぱいあって
わかりやすい書き方をするもんだね。
とてもよく調べられてて、
読みやすいし、すごいなあ。

橋本長道『サラの柔らかな香車』

白人美少女が天才的才能により、
棋界を席巻していかんとする将棋小説。
と、紹介すると、
まるで漫画やアニメのようだが、
内容は思ったより深い。

私は将棋に関しては
駒の動かし方が
わかる程度のレベルなので
盤上のことはよくわからない。

しかし著者が実際に
奨励会で挫折した人だけあって、
そこにある
重たくよどんだ雰囲気の描写は
興味深いものがあった。
ただそういう部分の感想は
解説のほうで余すところなく
別の人に書かれてるので、
特に書くべきことがない。

「十で神童 十五で才子 二十過ぎればただの人」
素晴らしい言葉ですね。
昔の人は賢い。
何の努力も苦労もせずに
過ごしている人は
この言葉をよく
肝に銘じておかなければね。

この本では、
というか棋界の中で
そうなんだろうけど、
「天才」とか「才能」っていう言葉が
いっぱい出てくる。

私自身はもともと
天才とか才能といった類のものは
信用していない。
何もしない奴はバカだし、
努力できる人は
誰でもある程度のことは
できるようになる。

だからそういう言葉を
耳にするのがあまり好きじゃない。

しかしこの世界に関しては、
というより、
頂点を目指す人にとっては、
どこでも、
そういう言葉の意味を
より近く感じずには
いられないのかもしれない。

幼い子供といい大人が
将棋で同じレベルに
立たされることがあるというなら、
大人のほうが
特別怠けていたわけじゃなく
情熱を傾けたはずの分野で
自分より優れた子供が現れたら。
天才や才能を意識せずにはおれないだろう。

所詮私が意識する世界は
程々の世界で、
一番上を見てるわけじゃないから、
天才とか才能とかが
支配してる領域を
逃れたところで
程々に生きてるから、
そんなことを考えずに
済んでいたのだと、
再認識させられた。

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