05
1
3
4
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
25
26
27
28
29
30
   

視野狭窄

人は経験を通してしか物事を理解しようとしない
このことをきちんと教えてやっておくべきだ

多くの人間は自己の経験のみをものさしにしている
そして自分ではそれが自分にとってもっとも正しい答えを
与えてくれていると思い込んでしまっている

彼らは視野を自分から狭めてしまっていることに気付きもしない
いや、気付く気がないのだろう
多くを考えるのはとても大変で苦痛なことだから

狭隘な心と矮小化された頭で適当に物事の正しさや間違いを
決め付けて、省みることもしない

自分が何を取捨しているのかも分かっていない
自分で真剣に考えようとしていないから
自分が何をやっているのかも分かっていない

何かを実行して上手くいけば「ああ、やっぱり自分は正しかった」
何かを実行しなくて上手くいけば「ああ、やっぱり自分は正しかった」
何かを実行して上手くいかなければ「次は実行すまい」
何かを実行しなくて上手くいかなければ「次は実行しよう」

ここで言いたいのは、A(実行する or しない)という選択をして、
Bという結果が出たときに、AとBの間だけで物事を
考えるべきではないということだ

そんな単純な世界は空想の中でしかありえない
Cという選択肢、Dという結果、EFGH…という他の要素
この程度の列挙で済みはしない

物事には無限の複雑さとも言うべきものがある
その中には、自分の考えが及ぶ範囲と、及ばぬ範囲とがある
考えて分からないことはやってみて結果を観察するほかない

自分の行動に何の疑問も持たず、
周りがやっていればそれで正しいと思えるような輩は
もはや人間として重要な部分が欠落しているとしか思えない

渡辺隆裕『図解雑学ゲーム理論』ナツメ社、2004

初心者向けのゲーム理論の本を読みました~
この本はかなり分かりやすくておすすめ
ゲーム理論をすぐに軽く理解したい人や
コミットメント? インセンティブ? 何それ?
って人は読んでみるといいかも

早速ですが現在起きている豚インフルエンザ騒動について
政府と私たちの行動をゲーム理論っぽく書いてみました
プレゼンテーション1

続きを読む

サイモン・シン『フェルマーの最終定理』 訳:青木薫

1995年5月、『Annals of Mathematics』に、アンドリュー・ワイルズによるフェルマーの最終定理の証明が掲載され、300余年もの間、数学者たちを悩ませ続けた問題にひと段落ついた

この本を読んで、数学のもろさを感じた

フェルマーの最終定理の証明をきちんと理解しているのは
数論研究者の中でも10%程度のものだという
多くの研究者は他の誰かが審査した結果に従い、
それを利用するのである
乱暴に言えば、学生が意味の分からない定理を使って
与えられた問題を解くのとそう変わらない

実際読んでいて、わけも分からず二次方程式を解くために
不可解なあの解の公式を使っていた自分の姿が思い出された

話を戻すが
もしフェルマーの定理に対する証明の審査をした人が間違っていたら?
人間のやることなのだから、間違いが起こらないとは言い切れないだろう

最終的な判断を行うのが、結局人であるなら
一体、人文科学とどれほどの違いがあるだろう
そこに絶対性を見出すことは難しい

別に私は数学を疑っているとかいうわけではない
ただ、あらゆる学問の中でもっとも確からしいと
考えられがちな数学が、思っていたよりは不安定で適当な、
そういうものであるということに、
何か複雑な感情を抱かずにはいられなかっただけである

以前ある数学者から聞いた話を思い出した
数学者は絶対に公理を否定することが出来ない
公理を認めなければ、これまで長い時間をかけて
積み上げてきた全ての知識が無駄になってしまうからだ

絶対に確かなものというのは、なかなか見つけにくいものだ
多くの哲学者が真実の世界を探したがるのも
無理はないということか

小川洋子『まぶた』

・飛行機で眠るのは難しい
偶然飛行機で隣にいた男からある話を聞いて、
けんかしてた彼氏に電話したくなって終わり
・中国野菜の育て方
妙な婆から妙な植物をもらって、
困って婆の畑に行こうとしたらそんな畑はなくて終わり
・まぶた
男と少女が一緒にいて、
男が誘拐犯に間違えられて、
取り押さえられて終わり
・お料理教室
さびれた料理教室の配水管の掃除して終わり

話をこんなに単純化するのは、
小説の読み方としてかなり行儀の悪いことかもしれないけれど
前半4つを読んで、
中途半端に終わってて意味不明だった
あら、おわった?
植物どうすんの?
誤解すぐ解けそうだけど、おわり?
何の話?
みたいな感じでどうしようかと

解説読んだらあまりの模範回答っぷりに驚いた
直接作者から聞いたのかと思うほどだ
私の感性ではついていけそうになかった

『博士の愛した数式』がよかったから読んでみたけど、
これはあまりおもしろくなかったな

でも「詩人の卵巣」に出てくる眠りの召使の話は感心した
さすが小説家と感じさせる面白いたとえだ

工藤綏夫『人と思想19 キルケゴール』 清水書院

人と思想シリーズはいい
ある人物を知るときに、この本を1冊読めばだいぶ参考になります

それはさておき、キルケゴールですが
彼の考えには共感できました

彼は客観的真理より主体的な真理に重点を置いています
私も客観的真理については懐疑的です

今でさえ正義と言われることを守るどころか
平気な顔をして不正をやらかすような連中がはびこっているのに
みなさ~ん、世界の真理が見つかりましたよ~
今後はそれにしたがって生きましょうね~
とか言ったところでどれだけの人間が守るかって話です

そもそもみんな違った考えを持ってるんだし
自分の生き方を示すような真理なら
なおさら自分で探すべきだろうと思うわけです

ショーペンハウアーじゃありませんが
人に考えてもらった真理なんぞ受け取ってどうすんだって

みんなが同じ真理の中で生きる社会というのは
集団生活するロボットと変わらないでしょう
争いも悩みもない合理的な理想社会ができるのかもしれませんが
私は遠慮したいところです

少しキルケゴールから外れましたかね
彼が言っているのは、
自分の内面性をはぐくみ、
主体的に考え、行動せよということです

何も考えていない愚かな個人が、
集まっただけの社会・集団は無力どころか
有害でさえあります

自律的・主体的個人として社会に参与すること、
そしてその中で確固たる一人の人であること、
それが大事なのです

少し抽象的で分かりにくいでしょうか
つまり、外から入ってくる情報に流されず、
よく考えて行動しようということなのだと思います

そして社会の中で個人というのは、
とかく無視されがちなものです
だからこそ個人は強く、賢くあらねばならんのじゃないかと、
私は思いました

さて、以上を読むと、
彼は比較的ポジティブな人間に思えるかもしれませんが
全然そんなことはないので注意しましょう

私が変なバイアスをかけてしまっているかもしれません
それにこれを書きながら、自分の理解の浅さを感じました
もし興味があれば、
彼のネガティブっぷりは自分で読んで確かめてみてください


追記2009/12/4
何やら言ってることがおかしんちゃうかと、
そういう疑問を持つ人が多そうなので、
いまさらながら、釈明でもしてみたり。

ここで言ってるのは、大まかに分けて3つ、
客観的真理は役に立たん。
内面性は大事。
自律的で主体的。

1つ目は特に問題なし。
2つ目、3つ目は微妙。

内面性は大事かもしれないけど、
だからといって、外面性はどうでもいいとかいうことはない。
キルケゴールの時代のデンマークで、
内面性があまりにも捨て置かれてたから、
彼は内面性を強調してた。
だから、彼の思想が内面性重視に見えたのだろう。

次、自律的・主体的とかいうのは、かなりずれてる。
確かに大衆批判もしてたけど、
彼の主体性はキリスト教的なもの。
明らかに私個人の考えが混ざってる。

ひとまずこれぐらいに。
詳しくは、キルケゴールカテゴリーの中の記事を見てほしい。
これはあくまで感想として捉えてもらおう。
ただ、感想とするには、
少々誤解を招くような書き方なので、
弁解の必要を感じた。


でも、そういえばまだ彼の思想に
深く突っ込んだ記事がありませんね。
近いうちにまとめて出すので、
そのときどうぞ。

ローラント・ジーモン=シェーファー『ベレーニケに贈る小さな哲学』 訳:須田朗、鈴木仁子

哲学って何? というあなたへ
「哲学入門」を騙る超難解哲学書をつかまされる前に
まずこの本を読んでください

こんなタイトルですが
古代ギリシアから現代までの、
主要な哲学・思想のエッセンスが、
ふんだんに詰め込まれています

様々な考え方を提示してくれているので
これを読めばきっと思考の範囲・視野が、
ぐっと広くなることでしょう

こんなすばらしい入門書は、なかなかないですよ、ほんとに

最初ことばとは何かというところから始まって、
科学方面へ向かっていくんですけど、
(でも別に科学知識とかなくても問題ないですよ)
どんどん引き込まれていく面白さです

しかし本当に私が面白いと思ったのは後半からです

次から次へと哲学的・思想的に重要な考えが出てきて、
宗教、神、何とか主義といったものの欠陥を暴き、
いかに駄目になっていったかを披露していくさまは、
まことに痛快です

この本、実は図書館で何気なく手に取った1冊で、
借りもせずに何度も通って、
2週間ぐらいかけて読みきったんですけど、
少し舐めてました

12歳のわが子にとか言うから、
すぐ読める簡単な内容だろうし、
分かりやすい言い回しでも勉強しようかな
程度に読み始めたんですが、
綺麗に並べられた展開に舌を巻きました

これは12歳の子供より大人が絶対読むべき本です
というか、向こうの12歳児がどうか知りませんが、
小学生が300ページ弱のハードカバーを、
しかも哲学なんて少し想像できませんね

しかし、12歳児でも理解できるようにという
コンセプトで書かれた本なので、
哲学の入門書としては最高クラスだと思います

私も自分で購入して何度も読み返したいと思います
何冊か買って誰かにプレゼントしたいぐらいです
でも哲学書なんて贈られてもウザイよなあ(笑)

誰か哲学に全く縁のなかった人が読んだら
どう思うのか聞かせて欲しいなあ
とにかく私は、とても読みやすくて面白い
優れた哲学入門書だと思います

best books

ここでは紹介した本の中で、薦めたい本などをまとめておきます

その前に、
この記事を書いた時は、今ほど哲学とか、自分の考え方とか、
このブログであんまり出すつもりはなくて、本当に簡単に小説の感想なんかを、
書いていって、そのおまけでちょっと難しいことも入ったらいいかな
という程度でした。

それがどうも最近、重いというか、なんというか、
キルケゴールカテゴリーを作ったこともあって、
本当に哲学関係の検索からやってくる人もいるみたいなので、
少しだけ言い訳じみたことを言っておこうかなと思います。
(いつもどおり前置きが長くなってきたので一番下に続きます↓)


2009/7/1
本の並びの順番をオススメ順に並べてみたつもり。
とはいえ、すごく適当だし、
本に何を求めているかというのも人それぞれだよね。
まあ読んでためになる系が上位に来そうです。
普通の小説なんかは、下のほうにいきがち。
でもあんまり気にしないほうがいいかもね。

うん、やっぱり書いてて思った。
気にしないで。自己満足でやりますから。
好きに読もう。

続きを読む

プロフィール

bq69pd

Author:bq69pd
バイクや車でドライブしたり、電車や飛行機で旅したりします。忙しいからブログさぼってもいいよね?

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

Lc.ツリーカテゴリー

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

検索フォーム

FC2カウンター

リンク

RSSリンクの表示